引き寄せられて、私は御津くんの脚の間に収まった。


後ろから抱きしめられている形の私の頭の上に、とんっと自分の顎を乗せた御津くんに、治まりかけていた鼓動がまた、ドクンッと波打った。



「一応俺、男なんですけど」


「……お、女だとは思ってないよ?」


「異性だって、意識しろっつってんの」



恐らく、本気で抜け出そうとすれば、彼の腕の中から出れるけど、そうできなかったのは。


───御津くんだったからだ。