話の弾むふたりは、笑い合いながら、教室から出て行こうとするけど、その寸前に葵が私を振り向いた。
「妃莉? なにしてるの、一緒に購買行こうよ」
「あ、でも……」
「ほら、来て」
葵がにこにこと大きな声で誘ってくれるけど、やっぱりふたりきりになりたいだろうし。
たぶん、私がひとりになることを阻止したいんだと思う。
「……妃莉は俺と過ごすから、早く行けば」
どう断ろうか迷っていた私の耳に聞こえたのは、ぶっきらぼうな言葉と声。
振り向けば、そこには御津くんがいた。
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