路惟くんは、近くの公園でゆったりとしたペースでブランコを漕いでいた。なにかを思い詰めたような表情で、心ここに在らずといったように。


そんな顔をさせちゃってたのは、私……?



「……ろ、路惟くん…っ!」


「………は、え? 妃莉? なにしてんの?」


「は、話したいことがあってっ、それで逢いに来た……!」



公園内に入った私のもとへ駆け寄ってきた路惟くんは、息の上がっている私を見て、一旦戸惑ったような顔色を見せたかと思えば。


そのまま、ぎゅっと私を包み込むように抱きしめてくれた。



「……別れ話なら、ぜってぇ聞かねえ」


「………ん? 別れ話じゃないよ? 謝りに来たの」


「なんで謝るわけ」