私のせいで大好きな路惟くんがそんなことを言われるのは、陰口を叩かれる本人じゃなくても辛い。 私だけのために動いてほしくないから、なにも言わない。 言わないなら別れるぞ、と言われない限り、私はなにを言われても口は裂かないって決めた。 代わりに、「今日の夕飯なんだったー?」と話を逸らした。 『……え、…まだだけど。今から外に食いに行く』 「あ、そうなの? ごめんね、そんな時間に。もう切るね」 『ストップ。俺も妃莉と話してたいから、切らないで』