【完】蜂蜜色のヒーロー。



路惟くんの言う通り、これは嘘だよ。でも、長谷川くんとのことは私の問題だし、心配をかけなくない。


だからごめんね、信用してないとか頼ってないとか、そういうことではなく、迷惑をかけたくないから言えない。



きっと路惟くんは優しいから、このことを相談したら『迷惑じゃねーよ』と笑ってくれて、


長谷川くんと逢ったときに対処できるように、運動部の助っ人も断るようになるだろうし、


毎日一緒に帰ってくれるようになるって、なんとなくわかる──だからこそ、正直に言えないよ……。



助っ人の頼みを断るようになったら、『彼女を優先する奴』と陰口を叩かれるはめになることは目に見えてるし。