路惟くんが心から楽しそうに笑うことなんて滅多にない───というか、見たことないからものすごく貴重。


だから思わず、路惟くんの腕にしがみつくようにしてねだったけど、すでにいつもの顔になってしまった。



「……妃莉可愛い」


「！」




その言葉で我に返った私は、慌てて路惟くんから離れた。自分から抱きつくような形になってたなんて、大胆すぎる。


恥ずかしい……。



「どうせ付き合い始めたんだし、これからたくさん笑うだろ」


「えっ、ほんと？ だったらいいな。路惟くんの笑った顔、大好きなんだ」


「俺も妃莉の全部が好き」