なんで自分の悪いところを言ってるんだろう……「じゃあ彼女やめて」って言われちゃうかもしれないのに。
でも、あとから知って振られちゃうのは嫌なんだ。
「カッコいい御津くんとは、釣り合わないよ」
「カッコよくねぇよ」
「それに、あと……っ」
「なあ、もういいよ。どんな妃莉でも好きだからさ」
……どうしよう、私。
こんなに御津くんのこと好きだったんだね。
きっと、ずっと前からこの想いは芽生えていたんだよ。
だけど……植物に例えるなら、やっと芽生えたその想いを恐れて、水も肥料もやらずにほっといた。
だから、気づかないふりをして、見えないふりをして、怖がって遠ざけていたんだね。