ぐっと息を呑むと、御津くんは一瞬目を伏せて、それからまた私に視線を合わせた。



「妃莉に、話しかけんなって言われて、結構ショックだったし……好きでいるのやめようと思った。


でも、やっぱり俺には妃莉しかいねーからさ、そんな簡単に諦められなかった。


自分でも笑っちゃうくらい、妃莉のことが好きだ」


「……!」



私、あんなに酷いこと言ったのに、それでもまだ御津くんは、私のことを好きでいてくれるの……?



ぶわっと涙が溢れてきて、止まらなかった。嬉しかったし、同時に御津くんをひとときでも信用しなかったことが、悔しくて。


だって御津くんはこんなにも、私を好きでいてくれるのに。