つまりは、御津くんは寝てしまうほど恋愛ものの映画は退屈に感じるということなのに。 わざわざ、私が観たいと言った映画だからって、自分好みかどうかは置いておいて観てくれるなんて……。 「御津くん、ごめんね」 「……妃莉の喜ぶ顔が見たかったのに、なんで謝るわけ」 「えっ、そ、そうなの……?」 シアタールームの真ん中辺りの座椅子に腰を下ろした御津くんは、自分の隣に私を座らせた。 「寝ないように頑張るから、そんな顔すんなよ」 「……うん、ありがとう」