空と君とダイヤモンドと

「クリスマスはじゃあ、架純のお姉ちゃんのところにいたんだね?」


「…うん」



あたしの問いに架純が静かに答える。



「そっかぁー。失恋か」



あっけないものだなって思った。
あんなに幸せだったのに。



「瑛梨奈!帰るぞ」



ワカがあたしの手を掴んで立たせる。



「え!?」


「いいから来い!」



ワカはあたしのことなんかお構い無しでずんずん歩いていく。



「あたしカバン!」


「俺が持ってる!」



あたしのカバンも買い物の袋も全部ワカがもっていた。



「泣けよ」



いつの間にかお店とお店の間に連れてこられてた。



「え?」


「俺の前では無理して笑うな。泣け」


「…ワカ」



ワカの言葉にじわじわと堪えていた涙が出てくる。



「俺めっちゃ許せねぇんだけどさ、塁さん先輩だから何も言えねぇんだ」



あたしの背中をさすってくれる。



「いいよ。言わなくて」


「ほんとはめっちゃ言いてぇし殴りてぇのに。俺、弱っ」