「…ワカ」


「ごめんはいらない」


「…うん。ありがとう」



瑛梨奈がペコッと頭を下げる。


「よし、ご飯いこ!」



瑛梨奈の手を握る。



「え?」


「どうせ今日はいらないっていってあんだろ?」


「うん」


「俺も。クリスマスに寮で飯なんて寂しいから」



俺が言うと瑛梨奈が笑った。



「ずっと笑っててくれ」


「…うん」


「でも、泣きたいときはまた今日みたいに胸を貸してやるからさ」



瑛梨奈の頭を撫でる。



「ありがとう。ワカのおかげで元気でたよ」


「それでいい。俺が役に立てたらそれでいいよ。いまは」



瑛梨奈がコクンと頷く。



こうして瑛梨奈に関わっていけたら
それで充分なんだ。

塁さんならいいんだ。
他はいやなんだ。
塁さんが瑛梨奈を見てくれるなら
瑛梨奈を幸せにしてくれるならいいんだそれで。

瑛梨奈が好きなのはどうあがいてもいまは塁さんだからな。