「瑛梨奈ちゃん!」



夜、仕事を終えた秦くんがホテルまで迎えにきてくれる。



「ありがとう。わざわざ来てくれて」


「ここってさFの選手たち泊まってない?」


「よく知ってるねー。ホテルついたのが選手たちついたのと被って、ファンのことかいたよー」



選手が泊まるホテルってのは結構有名なものなのだろうか。
いままで気にしたことがなかった。



「瑛梨奈?」



秦くんと歩いてるとコンビニの袋を持ったワカに声をかけりる。



「おーワカ」



返事をしたのはあたしではなく秦くん。



「なんで秦と瑛梨奈がいんだよ」



ワカはどこか不機嫌に眉をひそめる。



「なんだよ、ご飯いくぐらいいいだろ」


「…よくない」



頬を膨らませる。



「なんだそれ。お前ほら、あれなんだっけ」


「は?」


「始球式のグラビアアイドルいるじゃん。ワカには」



秦くんの言葉はあたしの心に重くのしかかる。