空と君とダイヤモンドと

「似てるやつ…?」



瑛梨奈の昨日の顔が脳裏にちらつく。



「考えても仕方ねぇ、行くか」



この目でたしかめる。
似てるかどうか。
似てたら俺はその子のこと好きになれんのかな。



「だいたい今日は高谷と一緒だから瑛梨奈ってことはないだろーな」



高谷と瑛梨奈は高校の同級生だから、高谷はすぐに気づくはずだ。



「似てるやつか…」



この世には3人同じ顔がいるとかいうし。
もしかしたらそういうやつなのかも。
似てたら、俺その子のことみてみようかな。
新しい恋できるのかな。


でも、心は新しい恋になんて全然むいてなかった。
もう1度触れたい。
もう1度口づけを。
もう1度…。そればかり昨日から考えてる。

一度触れてしまったら溢れ出した思いは止まることを知らないようで。
でも、まだチキンなままで。
1日たったいまも瑛梨奈には連絡できないでいる。

ガンガンいけてた大学時代に戻りたい。
戻りたいなんて思ってるのは俺だけなんだろうな。