「…頭なんて下げないでよ」


「でも、俺がワガママ言ってるだけだから」


「…ううん。ワガママなんかじゃない」



当然のこと。
あたしがどっちつかずなのが悪いんだ。
だから塁くんはなにも悪くない。



「ごめんな。ワカのこともっと気にしていいからな。自分に正直になれよ」



塁くんがあたしの頭を撫でる。


塁くんはせんぶわかってたんだ
あたしの気持ちも。
わかったうえであたしについていてくれたんだ。



「塁くんと付き合えて幸せだったよ」


「俺も。幸せな2年間をありがとう」


「たくさんの愛をありがとう」



この2年間。
塁くんの愛をたくさん受けてきた。
だからあたしも誰かにたくさんの愛を与えたい。



「腕、はやく治るといいね」


「うん。また試合見てよ」


「もちろん」



塁くんの守備を見るのがとてもすきなんだ。
だからまたみにいきたい。



「いままでありがとうございました」



塁くんとの歩みはピリオドを迎えた。