「ごめんね、今日。試合に行かせてあげられなくて」


「ううん。2人で会いたいの当然だもん。久しぶりだもん。あたしこそちゃんと塁くんの気持ち理解してなくてごめんね」



気を遣い合う。
これでいいんだ。
お互いがお互いを思いあって、ゴメンネを言い合う。



「ワカの試合、見たかったよな」


「大丈夫。明日、良基と架純と行くよ」


「…そっか。そういえばあの2人付き合い出したんだってな」


「うん。やっとだよー。遅い!」



なんてあたしが言えば塁くんが笑う。



「両思いかぁー」



塁くんがはぁってため息をつく。



「塁くん?」


「俺はなんで北海道にこの時期しかこれないんだろう」


「塁くん…」



塁くんが寂しがってるのは常々感じていた。
でも、距離だけはどうすることもできなくて。



「こっちきちゃってごめん」



こう言うしかなくて、どうしたらいいかわからなかった。