━━それでは新入団選手のみなさんが、サインボールを投げながら退場していきます!盛大な拍手をお願いします。



「なぁ、みっつあるじゃん」


「うん」


「一つあの子にやれよ。ボード持ってるよ」



椎名が花道の真ん中ぐらいを指さす。



「うわ、まじだ。すげぇ」



自分のボードを発見するって、こんなこといままでなかった。当たり前なのだけど。



「あの子に渡そう。あとは…」



あらかじめ決めちゃおうとキョロキョロ辺りを見渡す。



「なに、好みの子でも探してんの?」


「そんなんじゃねぇよ」



俺の好みの子なんてただひとりだし。



「っ…」



その時、俺がみたい。
一番みたい顔が見えた。



「うそだろ。そんなこと一度だって」



昨日だって会ったのに。
何も言ってなかったじゃん。


見間違えかとおもった。
会いたすぎて見えてるだけなのかと。

でも、隣にあの星那がいて。
あぁ本物なんだってわかった。