「そっかーアイツ振られたんだねー」


「いや、まぁ…」



なんとなく答えにくいし、振ったとも言いたくない。
好きじゃないことになってしまう気がして。



「俺が奪ったんですよ」


「…そんなこと」



ないはずなのに。
ちゃんと最後まで言えないのはなんでだろう。



「まぁまぁ、大輝のことは気にしないで。飲もう」



あたしたちの前にお酒を出してくれる。



「ありがとうございます」



塁くんと改めて乾杯をして、飲み始める。



「この後さ、潤さんの家行こう」


「え?」


「ここで飲んだあといつも泊まらせてもらってんだ」


「え、いいんですか?」



あたしの言葉にふっと笑って頷く。



「俺は滅多に家に帰らないんだけどね。多分塁の方がいってそう」


「掃除しときますよ」



二人の仲の良さが伝わってくる。



「まぁ、1番俺の家に行ってるのは大輝かな」


「弟、ですもんね」


「前は女とやるための部屋にされてたぞ」



可笑しそうに笑う。
出た、遊び人ワカ。



2人と話して楽しい時間は過ぎて行った。