空と君とダイヤモンドと

「今日、外泊許可もらえる?」



お開きになりそうな頃、塁くんに聞かれる。



「え?」


「今日、このまま帰したくないんだ」



こっそり手を握って言われたこの言葉にドキドキが止まらない。



「もらう…」



気がつけばこう言っていた。



「もう出るみたいだから外行こう」



塁くんがあたしの上着をとってくれる。



「ありがとう」



塁くんから上着を受け取ってお店をあとにする。



「二次会行く人ー!」



幹事の人達が呼びかける声が聞こえる。



「瑛梨奈いく?」



ワカと良基があたしの前にやってくる。



「あたしは、塁くんと…」



恥ずかしくてうまくいえない。



「ふーん」



不機嫌そうな顔になるワカ。



「しょーがねぇだろ。付き合ってんだから」



良基がワカの頭を叩く。



「別になんも言ってねぇじゃん」


「その顔!顔で言ってるんだよお前の場合」



ワカが不機嫌かどうかなんてすぐにわかる。
それだけワカと一緒にいるんだから、あたしも良基も。