空と君とダイヤモンドと

「もう誰にもしないから…」



ぼそっとワカが呟くように言う。



「俺、瑛梨奈と話せなくなるぐらいなら誰ともやらなくていい」


「いや、特定の彼女を作るならいいのよ?」



別に彼女を作るなと言ってるわけではない。
ただ遊ぶのはやめてほしいだけ。



「彼女なんて、瑛梨奈しかなれないよ」


「…ワカ」



どうしてこの人はあたしを惑わすのが得意なのだろうか。



「でも、瑛梨奈にもああいう風にいわないから。昨日はごめんな」



あたしの髪の毛に手を触れる。



「う…「人の彼女の髪の毛何触ってんだよ」



戻ってきた塁くんの声にあたしの声はかきけされる。



「酔っちまったー」



なんていいながら元いた席に戻る。



「変なことされてない?」


「ふふ。大丈夫だよ」



十分ドキドキさせられたけど。
そんなことは言えない。

あたしはだれにドキドキしようと塁くんの彼女なんだ。