「琉希さんは本当に笑う時はエクボができるんです。でも、いまは…作り笑いです」



君はどうしてそこまで人のことを見てるんだろうか。
マネージャーとしてなのかもしれない。
でも、彼氏としてほかの男のことをわかりすぎてるっても嫉妬しちゃうな。

なんて、そんなつもりはないけど。



「よく見てるね」



瑛梨奈ちゃんの頭をポンッと撫でる。



「マネージャーとして、ですよ」


「わかってる。それになんであいつが心からわらってないのかも想像つく」


「…ですね」



あいつはどこまでも友達思いだ。
高一からずっと一緒にいた。
高校のドラフトの時も一緒に慰めあった。
そんな俺と一緒にこの会見をするはずだった。
1人のはずはなかったんだ。



「自分のことなんだからもっと喜べよな」



なんで俺のまわりはこんなにも人のことを考えてしまうひとばかりなのだろう。
今日幼い頃からの夢を叶えたというのに。
もっと、心から笑ってくれよ。