「ごめんな、ほんと」


「いいよ。でも一つだけ」


「ん?」



瑛梨奈のことを見つめる。



「あの時、ちゃんとワカのこと好きだったよ」


「ん」


「でも、いまはごめんなさい」



俺に向かって頭を下げる。



「ありがとう。マジ自分で撒いた種だよな」



俺があの時ちゃんと瑛梨奈といることを決めてれば。
今こんなふうにはなっていない。
一緒にいれたはずなんだ。



「タイミングだね」


「ほんと。タイミング悪ぃ」



自分が振ったくせに。
塁さんと一緒にいてもらうことを望んだのは自分なくせに。
それを見るとむしゃくしゃして、ほかの女といるとこを見せつけたりして。

けど、もうそんな自分を誤魔化すように生きたくはない。
瑛梨奈のこと好きなことを隠したくなんかないんだ。



「あ、結構みんないるね」



瑛梨奈の言葉に前を見ると、オープンバスの周りに結構チームメイトたちが集まっていた。