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「おはよう。ワカ」



パレードの車に向かう途中、後ろから声をかけられる。



「…瑛梨奈」



正直もう話しかけてもらえないとおもっていた。
塁さんと付き合ってしまうのならもう話せなくなってもいいというようなら覚悟で瑛梨奈にキスをしていたのに。
なんで普通になにごともなかったように話しかけてくるんだ。



「パレード楽しみだね」



俺の横に普通に並んで歩く。



「いいの?俺の横にいて」


「え?」


「この前、逃げたからもう嫌われたかなって」



嫌われてしまってももうよかったんだ。
嫌われてしまったほうが瑛梨奈の頭に俺のことを残せるとか考える俺は少しおかしくなっているのかもしれない。



「嫌いになんてならないよ…」


「そっか」



嫌われてしまいたいと思っていたくせに〝嫌いになんて〟と言われたら頬が緩む。
どうやっても目の前にいるこいつが好きなんだよ。