「ごめん、止まらなくて」



肩で息をしながら色っぽい瞳であたしを見る。



「なんのつもり…」



口ではこんなことをいいながら、内心ワカのキスを心地よいと思っていた自分がいて、本当自分が嫌になる。



「こうしておけば俺のこと残せるだろ。お前に」



あたしの唇に指を乗せた。



「…もうこういうことやめて!」



ワカからもらうドキドキに耐えきれなくなって、講堂から飛び出すように走った。


…なんなの。
なにあれ。


だいたいなんであたしはあんなにドキドキなんかしてるの。
あたしにはワカじゃない、塁くんがいるんだから。
まだ付き合っていないけど、塁くんを見るって決めたんだ。
ワカじゃなくて塁くんを選んだんだ。


ワカの手をとってしまいたかった。
ワカと歩いてみたかった。
でも、それをあたしはできない。
塁くんだって大切なんだ。


どうして、どちらかを選ばないとならないのだろう。