空と君とダイヤモンドと

「涼香、今日なんで俺のこと誘った?」


「ん?会いたかったからだよ」


「違うよな?」



たぶんこいつはわかってる。
今日がなんの日なのか。



「何の話?」


「俺が瑛梨奈ちゃんを誘えないようにしただろ?」


「塁にはなんでもお見通しね」



涼香の顔が崩れていく。



「涼香?」


「こんなにあたしのことわかってくれるの…塁だけなのに」



大粒の涙が流れてくる。



「涼香のことは高一から6年間も見てるんだよ。分かんない方がおかしいだろ」



流れてくる涙に触れる。

俺のせいでおかしくなってしまった涼香だけど。
こういうところは何も変わってなくて。
俺が好きだった涼香のままなんだ。

俺は瑛梨奈ちゃんを好きになってしまったけど、涼香のことも好きだから邪険に扱うこともできない。
弱い自分が嫌いだけど、変えようと思えば変えれるけど、目の前にいるこいつを置いていくなんてこと俺にはできない。