空と君とダイヤモンドと

「ありがとな」



瑛梨奈の頭に軽く手を乗せる。



「ううん。何もしてないよ。大丈夫?」


「うん。だいぶ楽になった」


「これからは具合悪い時はちゃんと部活休むこと!わかった?」



こいつはまだわかっていないようだ。
俺が部活に行く意味。



「じゃあ、付き合えとは言わないから。また仲良くして」


「え?」


「俺から離れたくせにまじで情けねぇけど。瑛梨奈と離せないの正直きついんだ」



瑛梨奈の手を取って話す。



「ワカはそれでいいの?」


「え?」


「友達でいいの?」



瑛梨奈の顔がどこか悲しそうな気がして。
勘違いしてしまいそうになる。
うぬぼれてしまいそうになる。



「瑛梨奈が望むなら彼氏にだって友達にだってなってやるよ」



瑛梨奈が俺のことを好きなら彼氏になるし。
塁さんを好きなら友達になる。



「あたしが今見てるのは…」



瑛梨奈が苦しそうな顔になる。


答えはわかるよ。
瑛梨奈の顔を見てるだけで。