「あたしのことよくわかってるんですかね」


「誰よりも一番見てたはずだよ。わからないわけないだろ」


「そうですね…」



ネックレス＝首輪ともいう。
あたしはなぜこれをつけ続けるのか自分でもよくわからない。
ワカのことは早く忘れなきゃならないのに。
ワカからもらった首輪をつけ続ける。
飼い主に会えるようにとそんなことを思ってしまって、あたしはいつからこんなにワカを好きになったのだろうと思う。



「ワカくん、今日もかっこいい！」


「そう？ユミちゃんもかわいいよ」



後ろからそんな声が聞こえてきて思わず振り返る。



「っ…」



ワカが〝ユミちゃん〟という女の子の肩を抱いて歩いている。

ふと目があったがそれは一瞬にして逸らされて
本当に終わったんだと実感する。



「あいつまた女遊び始めたぽいな」


「女遊び？また？」


「ん。高校の頃すごかったんだ。毎日違う女と歩いてた」



あたしの知らないワカの姿に寂しく思うのは自分勝手なのだろうか。