「てか、羽山くんってやめてよ!」



羽山くんがあたしと架純の背中を叩く。



「え?」


「良基でいいよ」


「あ、うん。良基」



あたしは良基に言われた通りに復唱する。



「おっけー」



良基は手で丸ってつくる。
ほんと人懐こい。



「…俺も」



若松君がぼそっとつぶやく。



「え?」


「ワカでいい」



ぶっきらぼうに言う。



「わかったワカね」


「おう」



ワカはどこか嬉しそうだった。


この前は名前なんて呼んで欲しくないって言ってたくせに。
あれは人見知りか?



ワカの意外な1面が見れて嬉しくなる。



「あれー!受付塁さんじゃん!」



入口を入ったとこで良基が声をあげる。



「あ、マジだ」



良基の声に入口を入ったところを見るとテーブルで何やら書いている鷺沼さんがいた。


鷺沼さんの姿にドキンと胸が高鳴る。