「星那はあたしにそんな事言ってくれないよ?」



星那が好きなのは別の人だったから。
あたしには決して言わない言葉。
でも、マネージャーはあたしだったから聞きたかった。



「あいつは瑛梨奈の良さが分かってねぇよな」


「ほら、この前の雷人の隣にいた子」


「あーいたな」



莱久のことを思い出したように言う。



「あの子のことがずっと星那は好きだったんだよ」


「へー。瑛梨奈のほうがかわいいのに」



あたしの髪の毛を自分の指に絡める。



「か、可愛くないし!」



どう見ても莱久のほうが可愛いのは一目瞭然。
ワカの目はおかしいのではないかといつも思う。



「かわいいよ。瑛梨奈は世界で1番」


「…ありがとう」



あまりにワカの顔が真剣だから、認めるしかなくて。
そして、認めると顔がかぁーっと熱くなる。



「そういう顔させてるのが俺ってのが嬉しいね」



あたしの頬に手を当てる。