「お待たせ」



雑誌を読んでる瑛梨奈に声をかける。

瑛梨奈が待ってるのは他でもないこの俺で。
それだけで俺は十分幸せなぐらい瑛梨奈に惚れてるんだ。



「瑛梨奈」



ちゃんと話さないとならないと感じた俺は隣を歩いてる瑛梨奈をみる。



「ん?」



避けられてた時の感じはなくて安心する。



「瑛梨奈、俺と付き合わないか?」



何度目かわからないこの言葉。
どうして断られるとわかっていでも言いたくなるのだろうか。



「ワカ…」



困ったように笑う瑛梨奈に今回もダメかと悟る。



「なーんて、ダメだよな」



冗談ぽく笑う俺の持っているコンビニ袋を引っ張る。
そんなことされたら気持ち抑えられねぇってわかんないのかな。



「瑛梨奈、またキスしちゃいそうになるからやめて」



瑛梨奈の手を袋から外す。



「あたし、塁くんのこと忘れられないよ?」


「わかってる」



そんな当たり前のことをもう1度言ってくるこいつはどれだけ俺を振れば気が済むのだろうか。
いや、俺が振られに行ってるのか。