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「塁くんちょっといいですか?」



最終日の今日。
練習の合間に塁くんに声をかける。



「どうした?」


「今日ワカの誕生日なんです」


「あぁ。そういえば…」


「みんなでお祝いしませんか?」



あたしは自分で考えたプランを塁くんに話す。



「うん。いいよ。サプライズにしようか」



塁くんが優しく微笑む。
あたしが大好きな笑顔で。



ワカの誕生日の話をしてるのに。
不謹慎だけど塁くんが近くにいることを嬉しく思う。



「瑛梨奈ちゃん、久しぶりにちゃんとこうして話したね」


「…うん」


「これだけでも俺を頼ってくれて嬉しいよ」



いつも何かあると頼るのはワカだから。
今回は相談をワカにはできなかった。



「じゃあ2人で準備しようか。俺もう今日のメニューおわったから」


「はい!」



塁くんと2人でサプライズパーティの準備をする。


ほんとに楽しい時間。
普通じゃ2人で行動するなんてありえないことだから。