空と君とダイヤモンドと

「え、あの日の夜に?」


「はい…」



あたしがワカに『嬉しそう』って言った日だ
あたしがあんな事言ったから?
好きじゃないからって唯ちゃんを遠ざけてるの?



「何をしても、瑛梨奈さんは勝てないみたいですね」


「…唯ちゃん」


「どんだけワカ先輩を好きでも、ワカ先輩は瑛梨奈さんしかみてない!」



限界だったのか泣き崩れる唯ちゃん。



「唯ちゃん…」



しゃがみこんで唯ちゃんの背中をさする。



「瑛梨奈さんですよね?ワカ先輩に何か言ったの」



唯ちゃんが顔をあげてあたしを睨む。



「っ…」



たしかに余計なことを言ってしまったのかもしれない。



「絶対あたしのほうがワカ先輩に相応しいって自信あるのにな」


「唯ちゃん、あたしね好きな人がいるよ。付き合うこと出来ないけど」


「え?」


「その人には彼女がいるんだ。だけどね、恋って諦めようとしても諦めることなんてできないよね」



塁くんのことを諦めようとした日々を思い出す。