空と君とダイヤモンドと

「お待たせしましたー」



星那が二人分の料理を持ってくる。



「ありがと。星那」


「……」



ワカは無言のまま置かれた食べ物を食べ始める。



「なんかあった?」



星那があたしにコソっと聞いてくる。



「っ」



耳打ちした星那をワカがチラッと見た気がしたけど、それも気の所為だったのかすぐに食べ物に視線は戻された。



「大丈夫だよ」


「ま、なんかあったらLINEでもしてくれていいから」



星那があたしの頭をぽんっと撫でて厨房に戻ってく。



「お前だって同じじゃないの?」



星那が食べる手を止める。



「え?」


「さっきのやつとか春季リーグで会ったやつとか簡単に触らせてんじゃん」


「は?」



ワカの言う意味が理解できない。



「唯が来て俺が嬉しそうでもお前には一切関係ないし、お前があいつらに色目使っても俺には一切関係ねぇから」



またワカに拒絶された気がした。
あの日と同じように。

あたしはまたこの人を傷つけてしまったのだろうか。