心ときみの物語


寂しい人だと思われてたことが心外だ。

俺の人間関係は狭く、深くがモットーだから。
大勢の友達やすぐ切れる上部だけの人なんていらない。

信頼は誰とでも結べるものじゃないから。だからそれを手当たり次第に手を伸ばす人は信用できない人だと昔から決めている。


「……そっかあ。高嶺くんは自らひとりを選択している人だったんですね……」

心春はまだしょんぼりとしていて、なんだか調子が狂う。


「あのさ、同い年だよね?」

「はい。21です」

「心理学だっけ?」

「はい。将来はカウンセラーになるのが夢です」

そんなこと聞いてないのに夢まで教えてくれるんだ。根は明るいヤツだってことは理解した。あと俺が嫌いな誰とで打ち解けるヤツじゃないってことも。


「じゃあさ、その心理学で俺がなにを言おうとしてるか当ててみて」

たしか目の動きや表情の細かな変化で読み取るんだっけ。浅はかな知識しかないから詳しく知らないけど。

「うーん」

心春が俺の顔をじっと見つめた。

人見知りだけど心理って言葉を使うと、こうして目と目が合っても動じずにスイッチが入ることも分かった。


「俺はお前とは違うから、どっかに行け……ですか?」

あと、勉強不足だってことも。

「敬語はいらない。あと呼び方は名前でいい。
お前に友達ができるまで話し相手ぐらいにはなってやるが、正解」 

そう言うと、心春は嬉しそうに笑った。