心春はなぜか次の日もまた次の日も昼寝の邪魔をしてきた。俺が場所を変えればいい話だけど、
ここよりも最適なところが思い付かない。
「……あのさ」
「はい?」
心春は図書館から何冊も本を持ってきて、ベンチの半分を使ってそれを真面目な顔で読んでいる。
「席なら向こうにいっぱい空いてるけど」と、俺は室内を指さした。むしろあっちのほうが広くて背もたれもあって快適そのもの。
「でも太陽を浴びて本を読むと集中できるんですよね」
「中庭にもベンチがあるよ」
「あそこは人が多くて……」
あはは、とその顔は苦笑い。心理学を学んでるくせに俺の迷惑そうな顔は分からないのかって話だけど。そこは、まあ、突っ込まないでおくとしても。
「お前、友達いないんだろ?」
心春にはそのオーラが漂っていた。
するとまた苦笑いで本をパタリと閉じる。
「……はい。昔から友達作りが苦手というか……。なかなか馴染めないんですよね。あとものすごく人見知りなので」
「人見知りって、俺にはしてねーじゃん」
「ああ、確かにそうですね!でもひとりきりでいる人とは話せます。私と同じなのかなあ、なんて親近感が……」
「いや、俺は好んでひとりを選んでるんだけど」
「ええ!高嶺くんも馴染めずに孤立してる人じゃなかったんですか」
何故かすごく残念な顔をされてしまった。



