最初から特殊だと思ったんだ。
俺の噂が主に知れ渡っているのは10代から40代まで。それ以上の年齢になると逆に詐欺だと疑われたり。高額な金を請求してくるんじゃないかと、悩んでいても絵馬までは受け取りにこない。
わざわざ神社にまで足を運ぶほど悩んでいる気持ちは分かった。でも俺にだって、出来ることと出来ないことぐらいはある。
「姿が見えないヤツと縁切りなんてできねーな」
俺はテーブルに置かれた麦茶ポットを勝手にドボドボとコップの中に注いだ。
「そうよねえ。困ったわ」
「つーか本当に幽霊の仕業なのかよ?」
「それしか考えられないもの。戸締まりはしっかりしてるし、目を離した隙に戸棚や机の引き出しが開いてたりするのよ?」
それは確かに怖いというか面倒くさいな。
「そもそも幽霊って実在するものなのかしら?」
「……さあな」
俺は2杯目の麦茶をまた一気飲みした。
その時、ドタドタッ!と長い廊下を走る音。八重が怯えた顔をする中、襖が勢いよく開いた。



