心ときみの物語



「それで?この橘佳苗とどういう関係?」

俺は再び絵馬を指さした。

雪乃はまたすぐに表情を変えて、ストローでカランッとコップの氷を崩した。


「親友です。小学校からの」

どうやら同じ高校に通っているらしく、クラスも同じなんだとか。


「へえ、親友ねえ」 

俺は喫茶店の窓から見える通行人を無意味に見つめて、肩肘をついた。


「私も色々と考えたんです。でもどうにもならなくて。それで噂で聞いた裏絵馬を思い出して昨日……」

「つまり、どうしてほしいと?」

わざと諭すように聞いた。

雪乃は潤んだ瞳で俺を強く見たあと、深くその頭を下げた。


「エニシさま、お願いします。佳苗との……佳苗と私の縁を切ってください!」

またカランッと氷が落ちた。