「縁は優しいよね」
そのあと中庭に移動して。女子たちがバドミントンで遊ぶ様子を見ながらけや木の下のベンチに座った。
手には棒付きのミルクアイス。食堂前の購買で売られてるアイスで、これもまたすぐに売り切れてしまう。
「優しいってなにが?」
同じアイスを食べる心春を見た。
「んーだって私食べるの遅いのにいつも待っててくれるでしょ?」
「だって俺がいなきゃ食べれないじゃん」
「はは、うん。あの空間でひとりで食べる勇気はちょっと……」
心春は俺と出逢う前はいつもパンで昼食を済ませて、食堂を一度も利用したことはなかったらしい。ひとりで食べてる人は俺も含めていっぱいいるけど、それはやっぱりひとりを好んでる人で。
女子はほとんど友達同士で楽しそうにしてるから、心春が行けなかった気持ちは多少理解できる。
「メニューがたくさんあるから卒業までに全部食べたいなあ」
「それには付き合わねーぞ。勝手にやれ」
「うん。卒業までには友達作れるように頑張るし。例えひとりでも食堂くらい行けるように強くならなきゃね」
心春はポタポタと溶けはじめたアイスを上手に食べながら言った。



