好かれてる、なんて思ってなかった。 むしろ迷惑がられてるかと……。 「俺、楠木のこと……好きだよ」 彼は優しい笑みを浮かべながら、あたしの髪の毛に触れる。 そして、なびく髪の毛をそっと耳にかけてくれた。 「好きだっていうか、前から好きだったんだけどな」 前から? 「中3の時だっけ?楠木と初めて会った日。電車で」 それ……覚えてたの? 「う、うん。蛯原くんが助けてくれた時」 「助けたっていうか、気持ち悪かったし。それに実を言うと、その出来事の前から気になってた」