俺がもし、本当にこの力のおかげで彼女のことを救えたのなら
あの時の事故……
あとから聞いた話、体育で野球をしていた時のボールが飛んできたのだとわかった。
俺には、未来を見ようと思って見ることはできない。
いつもなら、未来なんて見たくなかった。
勝手に頭に流れ込んでくる他人の未来は、ほとんどが悪いことでしかないから。
わかったところで見知らぬ人に教えることなんてできないし、
教えたとしても信じてなんてもらえない。
よけいに怖がられるか、気味悪がられるだけだ。
でも、彼女には教えずにはいられなかった。
だってもし、あのまま教室に行っていたら
彼女は………………。
考えただけでぞくっとする。


