「しろがねくん」




声で気がついた彼は、私を見て少し驚いていた。




だけど私の目を見ることはない。




「ごめんね、びっくりさせちゃった」




私は彼の目線に合わせるために、すとんと彼の前に座る。




「私、同じクラスで隣の席の、松永色葉。」




「………………」




彼は下を向いて、みんなをスルーしていたように何も言わない。




「あー、しろがねくんは誰にも反応しない人だったね」




無表情で無反応。




そんな彼に私は詰め寄った。