私がそう言うと、しろがねくんは背中を向けたまま、何も言わない。
ずっと保ってた距離を、私は少しずつ詰めていく。
「しろがねくん?」
しろがねくんの後ろで立ち止まった。
よく見るとしろがねくんの肩は少し震えている。
あぁ、またこの人は
泣いている。
私が、しろがねくんが人の心を読めることを知った時も
安心したのか泣いていた。
きっと今回も、また同じような理由で泣いているのだろう。
「結構泣き虫さんだねぇ、しろがねくん!」
私はしろがねくんの後ろからそう声をかけた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…