「……なに、笑ってんだよ。」




しろがねくんに言われて気づいた。




私は自然と、笑顔になってしまっていた。




「ごめん、つい、嬉しくて。」


「……それは、こっちのセリフだろ。」




そう言ってしろがねくんは私に背中を向ける。




「……しろがねくんは、未来もわかっちゃうんだよね?」




私は確かめるように聞く。




「…………そうだよ。俺は、他人の未来もわかる。


わかるっつっても、未来のことは勝手に頭に流れ込んでくるだけだから、


自分で知ろうと思って知れるわけじゃないけどな。


知りたくなくても勝手にわかっちまうんだよ。」


「へぇ……やっぱすごい!」


「どこがだよ……気味悪いだろ。」


「全然!むしろ、自分にないものを持ってるっていうのは、尊敬する。私を助けてくれた力を、気味悪いなんて思うわけないでしょ!」