「ありがとう」
私はまっすぐしろがねくんを見てお礼を言った。
「……え?」
しろがねくんは、下にやっていた目線を私の方へと向ける。
「もし、しろがねくんが私の危機を察知してくれたのなら、「ありがとう」。」
私はまっすぐに伝える。
「なんでだよ……なんでそんなことが言えるんだよ。」
しろがねくんの声が震えている。
「だって、助けてくれたから。私を大事故から救ってくれたから。だから、ありがとう。」
「………………不思議だよ、本当に……お前は……」
「そうかな」
そう言って、しろがねくんは少し黙ってから、また口を開いた。
「…………もし俺が、他人の未来もわかるって言ったら……どうする?」
『もし、他人の未来もわかるって言ったら……どうする?』
何をそんなに不安なの。
何をそんなに怯えているの。
「どうする?」
なんて聞き方。
試すような聞き方。
そんなに心配しなくたって
あなたを闇に落とすような答えなんてないよ。
だって私はこんなにも…………


