ぬくもりをキミに




教室の入口付近で固まっていると、担任の笹田先生が私のところへ駆け寄ってきた。




「松永さんっ!あなた、さっきの時間どこへ行ってたの!?」


「え、っと……お、屋上……です。」




サボったことを怒られると思ったけど、正直に答えてしまった。




だけど、違った。




「はぁ……よかった。


さっきの時間ね、授業がもうすぐ終わるって時にいきなり野球ボールが窓ガラスを突き破ってきたのよ。


場所がちょうど松永さんの席のところだったから、


もし松永さんがいたら、直で割れたガラスが刺さっていたかもしれないと思って……。


実際周りの人が被害にあっちゃったのよ。


その人たちは今保健室に行ってるけど、軽症で済んだみたい。


大怪我にならなくてよかったわ。


もしも松永さんがいたら、高確率で大事故だったところよ。


ラッキーだったわね。」