ぬくもりをキミに




しばらくの沈黙のあと、しろがねくんは何かを思い出したのか、うつむいていた顔を勢いよく上げた。




さっきの悲しそうな表情とは違う。




「どうかした?」




私は首をかしげて聞いた。




「松永さん!次の授業は……いっ、行かない方がいい!」




焦った様子で私にそう訴えてくるしろがねくん。




「え、ど、どうして?」




何事かと思い、私も少し焦ってしまう。




しろがねくんは青ざめた顔で私の顔をじっと見てきた。




「……そ、その……次の授業は……さ、サボろう……」


「……?」




顔色悪いし……体調悪いのかな……?




「う、うん。だ、大丈夫?しろがねくん、どこか悪いの……?」




心配になって私はしろがねくんに尋ねる。




「あ、いや……うん、悪い……かも?」


「そう……なの」




なんだかあやふやな答えだけど、とりあえずしろがねくんがそう言ってるし、私は次の授業は行かないことに決めた。