ぬくもりをキミに




「松永さんって、本当変な人だな。」


「過去にいろいろ経験すると、信用できない部分だってあるもんじゃない!」


「……松永さんも、そういう経験あったってことか」


「まぁね」




そう話しながら、ゆっくりとしろがねくんは私の手に触れた。




しろがねくんの手が、私の手のひらに重なる。




「…………」




しばらくしろがねくんとの沈黙が続いた。




そして、読み取れたのかしろがねくんは私の手を離す。




「読めた?」




私が聞くと、しろがねくんは「うん」と答えた。




「どうだった?」


「嘘じゃなかった」


「でしょ?」




私は「ふふっ」と笑う。




「……本当、心読まれていいとか、不思議な奴だな。」


「今までいなかったの?」


「……誰も、受け入れてなんてくれなかったよ。」




しろがねくんは、とても悲しそうな顔をした。