ぬくもりをキミに




「俺は、人の心が読める。」




とうとう、言ってしまった。




俺は女から手を離した。




さぁ、どう思う?


この女は、俺をどう思う?


拒絶する?


突き放す?


もう二度と……俺とは話さない?




「……しろがねくん、心が読めるの?」




女が口を開いた。




「ああ。」


「本当に?」


「今のが証拠だよ」


「じゃあ、もう一回読んでみて」




女の表情は、笑ってはいなかった。


『信じられない』


そう思っているんだろうな。