ぬくもりをキミに

｢……｢気持ちが読める人がいればいいのに｣なんて、簡単に言うなよ。｣




俺は覚悟を決めた。




｢え？どうして……｣


｢もし近くに、本当に心を読める奴がいたら、どうするんだ。｣




俺は、この女に、俺の秘密をバラす。




｢……いや、いないでしょ。そんな簡単に……｣




俺は女から目をそらさなかった。




｢いたら…………どうするんだよ｣




この女の言っていることは、口だけかもしれない。




ただのたわごとかもしれない。




それでも、俺は……




｢…………もし、そんな人がいたら……私は心を渡してみたい。｣