「みんな私の気持ちなんてわかんないでしょ。なのに「感じ悪い」とか言って、勝手に悪口言いだす人もいる。」
この女は、時々悲しい声をする。
顔をしっかりと見たことはないから、どんな表情をしているかなんてわからないけど
声はとても、寂しそうだ。
「あーあ、私の気持ち、全部わかってくれる人がいたらいいのに!」
「…………!」
…………なに、言ってんだ?
「もし、気持ちを全部読んでくれる人がいれば、どれだけいいだろう。
言えないことまで全部感じ取ってくれて、自分の中にある自分でも気づけないものに気づいてくれる……
そんな人がいれば、私は救われるだろうな。」


