ある日、転校生が来た。 男の子だ。 「銀大地です。よろしくお願いします。」 前に立って自己紹介をする彼の姿は 私たちにただただ 「大人しい」 という印象を与えた。 瞳には光がなく、少しも笑わないから とても絡みずらそうなイメージ。 彼の席は私の隣。 自己紹介が終わって席につく彼を見ながら 周りはなんだか嬉しそうにざわついていた。 そんなクラスの人たちを 誰一人見ようとしない彼に、 私は興味を持った。